ウェアプリントエリアには約20社が出展。エリアの規模は毎年ほぼ同じですが、常連出展社だけでなく機械メーカーや下請け業者などの新規出展もあり、活気のあるエリアとなりました。今年はガーメントプリンター4機種が一堂に会したため、それぞれのプリント実演を見て、どの機種を導入しようか迷う来場者も多かったようです。滞留時間も長く、じっくりとメーカーやディーラーの説明に耳を傾ける姿があちこちで見られました。それでは、出展各社の様子をご紹介します。
ユーロポートはウェアプリントを中心に総合的なオーダーグッズビジネスを提案。ガーメントプリンターと自動前処理塗布機を組み合わせた効率の良いウェアプリントをはじめ、レーザー加工機と厚物UVプリンターを使ったグッズ作りなど様々なシステム、商材を提案しました。アステムはレーザー加工機と同社のラバーシート「ソフレックス」を組み合わせた「マイクロカット」を披露。新しいウェアプリントの技法に注目が集まりました。タジマ工業はショップモデルの刺繍機「TUMX-C601/1501」を出品。ボディカラーをマットブラック、シルバー、タジマグリーン、コバルトブルーから選べるので、店のイメージに合わせて導入することができます。横山特殊ミシンは布に簡単にスタッズ(鋲)を打つことができる「スタッズセッティングマシン」を参考出品。ウェアプリント後、刺繍後にスタッズを付ければ付加価値アップに役立ってくれそうです。
パイオテックは転写紙「淡色用WoW」の改良版を中心に、蛍光トナー転写システム、昇華転写用のマグカップなど各種商材を提案。ウェアプリントだけでなく、様々なオーダーグッズを出品して多くの来場者を集めました。理想科学工業はデジタル製版機「QS200」とブラザーのガーメントプリンター「GT-3」を組み合わせたウェアプリントを提案。QS200で製版し、白インクや前処理剤をスクリーン印刷し、後から「GT-3」でプリントするという手法。前処理剤塗布の手間や白インク代のコストダウン、時間短縮に繋がると期待する来場者が多かったようです。トーヨーコーポレーションはブラザーのガーメントプリンター「GT-3」を中心に、理想科学工業と共同でシルク印刷とガーメントプリンターの組み合わせを披露。多くの来場者が初めて見る手法に注目しました。
クイックアートは蛍光トナーでのウェアプリントや紙芝居をPR。持ち運びできる小型熱プレス機のアピールもおこないました。ブラザー工業はガーメントプリンター「GT-3」を出品。普通のボディだけでなく、様々な形状、方法でのプリントサンプルを揃え、刺繍のような表現を再現したり、金インクに見えるようなプリントサンプルに注目が集まりました。また、ブラザー販売は1針でネーム刺繍に特化したミシンの新機種「VR100」(写真79)を発表。価格は498,000円と小規模店でも導入しやすいサイズと価格に多くの来場者から注目されました。
システムグラフィはイタリア「シザー社」のラバーシートをアピールしたほか、同社が得意とする昇華転写プリントの総合的なシステムをアピール。小型の真空熱プレス機を使ったグッズ作りも提案しました。エドバンはコーニット社の「パラダイムⅡ」とシルク印刷を組み合わせた最新プリント技術での下請けをPR。写真はプリントの難しい、スウェットパンツのヒップ部分にシルク印刷したサンプル。職人の腕の良さを存分にアピールしました。アメリカの有名ボディーメーカー「Gildan Japan」は今回が初出展。日本人の体型に合わせた「ジャパンフィット」や人気の「anvil」ブランドのPRをおこないました。マスターマインドは4色インクを搭載したガーメントプリンター「MMP8130」を99万円で出品。展示会特価ではなく、継続してこの価格で販売されるそうなので、ガーメントプリンターのエントリーモデルとして導入しやすいでしょう。同社はホワイトインクを搭載したエプソンの「SC-F2000」も出品。ウェアプリント店の仕事内容によって「MMP8130」と「SC-F2000」のどちらかを選ぶように提案しました。
武藤工業は発売したばかりのガーメントプリンター「VJ-404GT」と「VJ-405GT」を前面に出してPR。帽子や靴の側面にダイレクトインクジェットプリントしたサンプルも出品し、活用法を提案しました。また同社は厚物UVプリンター「VJ-426UF」も展示し、多くの来場者が詰めかけました。色素オオタ・オータスはデジタルスクリーン製版機「スクリーンマイスター」を出品。高解像度の製版が可能な機種だけに、ウェアプリント関連の来場者から注目が集まりました。タオルメーカーの新居田物産は小ロットでのプリントが可能な下請けサービスを紹介。ブースにはタオルのサンプルが全面に飾られ、多くの来場者が足を止めました。上野山機工は捺染顔料を使ったテキスタイルプリントをアピール。初めて見る来場者も多く、注目が集まりました。TWENTYはウェアプリントビジネスに興味を持つショップに対し、手厚いサポート付きの下請けプリントを提案しました。ポリ・テープ・ジャパンは新製品のラバーシート「ONE 4 ALL」をメインに出品。綿だけでなく、撥水・ナイロン生地にも使えるシートに驚く来場者も多くみられました。