オーダーグッズビジネスショ―では、国内外の様々なメーカーが発売している小型の厚物UVプリンターが出品されます。厚物UVプリンターは、木やプラスチックなどに直接プリントできる印刷システムのことです。UVインクをプリントしたあと、UVランプを当ててインクを硬化させる手法で、以前から様々な分野で利用されてきました。しかし、当時はプリンターそのものの価格が1000万円を超えるとても高価なもので、気軽に導入することができませんでした。
しかし、2010年にミマキエンジニアリングが「UJF-3042」を発売。卓上型のコンパクトサイズと、300万円を切る低価格が人気を呼び、オーダーグッズ業界での普及も進みました。ミマキエンジニアリングはこれ以降、次々と新商品を発表し、厚さ150㎜まで対応した「UJF-3042HG」や伸縮性の高いインクを搭載した「UJF-3042FX」、ワイドサイズに対応した「UJF-6042」、菊半版にプリントできる「UJF-7151plus」など、様々な機種を発表しています(本展示会で出品されるのはこのうちの1部です)。
続いて厚物UVプリンターを発売したのが、ローランド ディー.ジー.です。「LEF-12」は卓上型のコンパクトサイズで、伸縮性の高いインクが特徴。合成皮革などとの相性が良いのも注目です。同社では、さらに印刷エリアを広くした「LEF-20」も発売し、人気を集めています。
武藤工業も小型厚物UVプリンター「VJ-426UF」を発売。厚さ70㎜まで対応した機種で、印刷サイズは473×319㎜です。
この他、AZON社が発売する厚物UVプリンター「AZON UV Q」、「AZON UV ROTAX」(出品は倉敷紡績)、「AZON dts white」(出品はダイヤミック)が展示会場で見られるほか、光文堂の「KBD compressHS」、「KBD TEXTUR 3D HS」、マスターマインドのレジン&ヒートプリンター「MMP813H」シリーズも出品されます。また、桜井からは300%以上伸びる「ストレッチインク」を搭載した厚物UVプリンター「モールドジェット」が出品されるので、注目です。
テクノアからは、ハイスペックな3Dシミュレーター&エディターの「フリーデザインシミュレーター」が出品されます。単にTシャツにデザインしたものを3Dで確認できるだけではなく、画面に表示されるTシャツは型紙データや生地データ、ボディデータを元に、コンピューター上で縫製して3Dのシルエットを生成。その際、重力や生地の特性等も数値化され計算し、影やシワまで表現されるというから驚き。型紙データから3Dを作り上げるため、本物と同じサイズ感でシミュレーション可能です。
着物や浴衣からスーツ、各種ユニフォーム……他にもバッグや靴、マグカップ等のオーダーグッズアイテムにも応用できるので、オーダーグッズビジネスの拡大に役立ってくれそうです。
エンドユーザー自身がWEB上で3Dでデザインできる編集機能が搭載されているので、画像を取り込んだり、イラストを配置するなど、好みのデザインを画面上で作り上げ、それを3Dで見ることができます。さらに驚きなのが、エンドユーザーが自由にデザインしたものを、製造側が版下に使える画像データとしてダウンロードもできること。そのまま布にプリントや転写すれば、全面デザインのウェアプリントが簡単にできるようになります。
デザイン後にTwitterやFacebookに連携する機能もついているので、チーム内で
のデザイン確認が簡単にできるほか、口コミによって評判を広げることもできそうです。